受注・焙煎計画
受注から焙煎計画へ。50袋に生豆は何g必要?
注文を受けたハルは、どれだけ焙煎すればよいか迷っています。ナギと、在庫を引いて必要な生豆を逆算します。
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200gの商品を50袋、金曜日に出荷したい。どれだけ作れば足りて、いつ作業すれば間に合うかを、注文の量 → 使える在庫 → 生豆の量 → 作業の予定の順で考えます。
ここでは、紙や表計算と無料計算ツールで計画を立てます。例として、同じ商品の注文50袋に対し、使える焙煎済みの豆が2kgあるとします。
50袋分から、使える焙煎豆を引く
ハル
200gを50袋だから、必要な豆は10kgですね。まず10kg作る予定を入れればいいですか?
ナギ
その前に、今ある焙煎豆を何kg使えるか見よう。今回の注文に回せる豆が2kgあれば、新しく用意するのは残り8kgで済むよ。
ここで使えるのは、同じ商品仕様で、品質・鮮度の条件を満たし、ほかの注文に割り当てていない豆です。選別と品質確認を終えた分を数えます。
- 注文に必要な量:200g × 50袋 = 10,000g
- 使える焙煎豆:2,000g
- 追加で作る量:10,000g − 2,000g = 8,000g
商品が違う注文は、商品ごとに計算します。店頭で売れそうな分も用意するなら、確定した注文と分けて書くと、どこまでが約束した量か分かります。
8kgを作るため、生豆は約9.72kg
ハル
焙煎後に84%残る見込みです。8kgを84%で割れば、必要な生豆量になりますか?
ナギ
選別で取り除く分も見ておこう。焙煎後の豆から2%を除くなら、そこから残るのは98%。売れるところまで残る割合は、84%に98%を掛けて求めるよ。
同じ豆を似た条件で焼いた記録から、焙煎歩留まり84%、焙煎後重量に対する選別ロス2%を見込むとします。
売れる重さまでの割合:84% × 98% = 82.32%
つまり、生豆1kgから売れる豆は823.2g。8kgを用意するには、8kgより多い生豆が必要です。
必要な生豆:8,000g ÷ 0.8232 ≒ 9,718g(約9.72kg)
200gを50袋届ける
10,000g
200g × 50袋
追加で作る焙煎豆
8,000g
注文に使える焙煎豆在庫2,000gを引く
必要な生豆
約9.72kg
8,000g ÷ 0.8232 ≒ 9,718g。実質歩留まりは84% × 98%
2%を掛ける相手は焙煎後の重さなので、84%から2ポイントを引く計算とは少し違います。割合の考え方は歩留まりのガイドでも確認できます。
必要生豆量計算ツールでは、次のように入力します。
- 必要な焙煎豆重量:在庫を引いた 8,000g
- 想定歩留まり:84%
- 選別ロス率:2%
- 現在庫:今回使える 生豆の量
このツールの「現在庫」は生豆の欄です。焙煎済みの2,000gは、最初の計算で差し引いておきます。
普段の投入量なら、4回に分けて焼く
ハル
必要な生豆は約9.72kg。でも、普段は1回に2.5kgずつ焼いています。最後だけ量を減らした方がいいですか?
ナギ
投入量を変えると、いつもの焼き方で同じ味になるか、確かめる必要があるね。まずは品質を確認できている2.5kgで4回として、作れる量と余る量を見てみよう。
使う生豆ロットが12kgあるとします。1回の焙煎を「1バッチ」と呼ぶと、4バッチの計画は次のようになります。
表は横にスクロールできます →
| 計画する量 | 計算 |
|---|---|
| 使う生豆 | 2.5kg × 4回 = 10kg |
| 売れる豆の見込み | 10kg × 82.32% = 8.232kg |
| 注文分を超える量 | 8.232kg − 8kg = 232g |
| 投入後の生豆残量 | 12kg − 10kg = 2kg |
232gは、この投入量から生じる余りです。試飲や次の販売に回すなら、その用途も予定に書きます。
使うロットも決めておくと、必要量が足りるかを確かめられます。別ロットへ替えるときは味も確認し、使用ロットと投入量を残しましょう。生豆ロットの分け方が参考になります。
出荷日から、包装と品質確認をさかのぼる
ハル
4回分なら焙煎機は空いています。あとは、焼く日を決めれば受けられそうです。
ナギ
出荷までに必要な仕事も、予定に入れよう。同じ時間に袋詰めも重なっていたら、一人では進められない。品質確認や包装まで終えられる日程かを見たいね。
金曜日の集荷から、順にさかのぼって紙や表に書きます。
- 集荷の締切:何時までに50袋を箱詰めしておくか
- 包装:袋詰め・ラベル・箱詰めに何時間必要か
- 品質確認:いつ味と量を確かめるか
- 焙煎:商品の休ませ方に合わせ、いつ4回焼くか
- 準備:その日までに生豆・袋・ラベルがそろうか
それぞれに日付、必要な時間、担当を書き、すでに決まっている仕事と重ねます。例えば木曜日に品質確認を終えるなら、焙煎日は必要な休ませ時間から逆算します。作り直しに備える時間も確保したいところです。
予定に収まらなければ、受ける量や出荷日を相談します。焙煎機が焼ける量と、自分たちが出荷まで終えられる量の両方が、注文を受ける目安になります。
出荷後の数字を、次の計画に戻す
10kgを投入し、実際に売れる豆が8.1kgできたとします。
実際に売れる量まで残った割合:8.1kg ÷ 10kg = 81%
必要な8kgは作れましたが、見込みの8.232kgより132g少ない結果です。
計量方法・焙煎条件・選別量を見返し、近い条件の記録と比べて次の見込みを決めます。実際の作業時間や、売れた量・余った量も残すと、次に受けられる量を考えやすくなります。
焙煎記録のガイドで、記録の項目を確認できます。価格と注文量を一緒に判断したいときは、卸価格と作業時間の考え方も参考にしてください。
次の計画では、近い条件の焙煎実績と、使える生豆の残量を見返します。IRIDOMEのFreeプランでは焙煎記録を、Team・Proプランでは生豆ロットや在庫も確認できます。そこで確かめた投入量・歩留まり・残量を手元の計画表に写し、次に作る量と使うロットを決めましょう。