焙煎記録
焙煎記録の付け方|おいしかった味をもう一度
前と同じ味にしたいシーサー君。店を営むハルと、次の焙煎で役立つ記録の残し方を考えます。
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焙煎記録は、前回との違いを見て、次にどう焼くかを決めるために残します。まずは1回の焙煎について、使った豆・重さ・進み方・味を書いてみましょう。
表計算で始めたい方は、焙煎記録表(CSV)のダウンロードと記入例へ。1回の焙煎を1行にまとめる表を用意しています。
最初から、細かな数字を全部残す?
シーサー君
焙煎の記録を始めたいんですが、温度や時間を全部書くのは大変そうです。
ハル
まずは、次の焙煎と比べたいことからで大丈夫。どの豆を何g使って、いつ焼き終えたか。それに味のメモがあると、前回に戻って考えられるよ。
豆が初めにはじける音を「1ハゼ」、焼き終えて豆を取り出す時点を「排出」と呼びます。ノートや表計算には、次の項目を用意します。
表は横にスクロールできます →
| 残すもの | 具体的な項目 |
|---|---|
| いつ、どの豆を使ったか | 焙煎日、生豆名、仕入れロット |
| どれだけ焼いたか | 投入量、焙煎後重量 |
| どう進んだか | 1ハゼの時刻、排出の時刻、主な操作 |
| どう仕上がったか | 味の評価、次回の対応 |
ロットは、同じ仕入れで届いた豆などを区別するまとまりです。豆の名前だけでなくロットも残すと、仕入れが変わったときの比較に使えます。
時刻は、焙煎を始めてからの経過時間で揃えます。投入温度や火力の変更も、あとで見返したいものから足していきましょう。
「おいしかった」を、次に使えるメモへ
シーサー君
味の欄は「おいしかった」でもいいですか? うまく言葉にできなくて。
ハル
そこから始めよう。さらに、どこが良かったか、どこが気になったかを一つずつ書くと役に立つよ。例えば「香りは好き。後味が少し重い」なら、次に確かめたいことが見えてくる。
香り・酸味・甘さ・苦味・後味など、毎回同じ観点で見ます。飲み比べるときは、焙煎からの日数や、豆と湯の量・挽き方も揃えると、焙煎による違いを考えやすくなります。
例えば、次のような記録です。
- 条件:同じロットを500g投入。1ハゼは8分42秒、排出は10分35秒
- 味:香りは良い。後味の重さが気になる
- 次回:投入量を揃え、排出のタイミングを少し早めて比べる
何をしたか
条件を残す
使った豆・重量・時間などを記録
どう仕上がったか
味を確かめる
飲んで感じたことを言葉にする
次はどうするか
変えることを1つ
次回の記録と比べて確かめる
今回は、排出のタイミングを変えた結果を味で確かめます。狙いに合っていれば「同じ条件でもう1回確かめる」でも、次の行動になります。
比べるときは、変える条件を絞る
シーサー君
次は火力も投入量も変えてみたいです。もっと良くなるかもしれません。
ハル
試したくなるね。ただ、両方変えると、何が味に影響したかを追いにくくなる。今回は投入量を揃えて、変えることを一つにすると比べやすいよ。
同じ豆・ロットを使い、前回の条件と今回の変更点を並べます。温度の記録だけでは、味がどう変わったかまでは分かりません。条件と評価を同じ焙煎に結び付けて残します。
室温や焙煎機の温まり方も変わるので、気付いた違いがあれば短く追記します。温度を自動で記録している場合は、そのファイル名や記録番号を添えれば、数字を全部写し直す必要はありません。
販売するなら、選別後の重さも残す
シーサー君
焙煎後の重さは、味を比べるために量るんですか?
ハル
重さの変化を見るのにも使うし、売れる量と豆代を計算する手がかりにもなるよ。選別で豆を取り除いたら、その分も分けて残そう。
例えば、次の1回を記録したとします。
表は横にスクロールできます →
| 段階 | 重量 |
|---|---|
| 生豆を投入 | 500g |
| 焙煎後 | 418g |
| 選別で取り除いた分 | 8g |
| 販売できる分 | 410g |
販売できるのは、418g − 8g = 410g。同じ500gを使っても、売れる量が違えば、100gにかかる豆代も変わります。計算は歩留まりのガイドと材料原価のガイドで確認できます。
使用ロットも分かれば、その豆をいくらで仕入れたか、どの在庫から使ったかをたどれます。生豆在庫の管理方法もあわせてご覧ください。
同じ投入量を日報と在庫表の両方へ写しているなら、焙煎日報と在庫表の二重入力を減らす方法で、入力元を一つに決める手順と訂正の残し方を確認できます。
まずは、1回の焙煎を1行に
1焙煎1行、12項目の手動記録用の台帳です。列は、次の4つのまとまりになっています。
- どの焙煎か: 焙煎ID、焙煎日、生豆名、仕入れロットID
- 重さ: 投入量_g、焙煎後重量_g、選別除去量_g
- 経過時間: 1ハゼ時刻_分秒、排出時刻_分秒
- 振り返り: 品質評価、次回の対応、備考
表計算アプリへ読み込むときは、文字コードをUTF-8、区切りをカンマにして、日本語の見出しと12列を確かめます。重量はgの数値で入れます。時間は「8分42秒」のような文字列で、焙煎を始めてからの経過時間を残します。
入っている2行は、同じロットを500gずつ焼いた記入例です。1回目は1ハゼ8分42秒・排出10分35秒で焙煎後418g、2回目は1ハゼ8分35秒・排出10分20秒で421g。選別で取り除いた量はどちらも8gです。時間と重さの違いを、品質評価と並べて読むと、次に確かめたい条件を考えられます。
使い始めるときは例の2行を削除し、自分の記録を入れます。味の評価は飲んでから追記すれば大丈夫です。
この台帳CSVは表計算で記録を続けるためのもので、IRIDOMEへの取込形式ではありません。温度曲線を残したい場合は、計測ソフトのログを保存し、そのファイル名を備考に添えます。ログを取り込んで管理する方法は、別のガイドで紹介しています。
1行に1回の焙煎を残していけば、同じロットの記録を並べて比べられます。複数人で焼くなら担当者、焙煎機を使い分けるなら機器名など、違いを確かめたい項目を足します。
記録を次の焙煎に使うには、条件と味をあとから一緒に見返せることが大切です。IRIDOMEのFreeプランでは、焙煎記録を残して比較できます。豆の使用量を在庫や材料原価にもつなげたい場合は、Team・Proプランで、使った生豆ロットと実際の重量をもとに確認できます。
自分の記録に合う道具を選ぶには、焙煎管理ソフトの選び方も参考になります。