原価計算

コーヒー豆100gの原価はいくら?

仕入れ値だけで豆代を考えていたシーサー君。ナギと、焙煎して売れる重さから100gの材料原価を確かめます。

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生豆が1kgで2,000円なら、売る豆100gの豆代はいくら? 焙煎すると重さが減るので、買ったときの重さと、売れる重さを分けて考えます。自家焙煎した豆を100g・200gの袋で販売する人向けに、材料原価から袋代、原価率までを同じ例で確かめましょう。

この例の金額はすべて税抜です。まず豆そのものの代金を数え、包装と販売時の費用を順に足します。

1,000円を、売れる410gで分ける

シーサー君

1kgが2,000円なら、100gの豆代は200円ですよね?

ナギ

それは焙煎前の100gだね。火を入れると水分などが抜けて軽くなる。買うために払った金額は変わらないから、売れる豆の重さで分け直そう。

例えば、生豆500gを焙煎すると418gになり、焙煎後の選別で8gを取り除いたとします。

  1. 生豆500g分の費用

    1,000円

    2,000円/kg × 0.5kg

  2. 焙煎・選別後に売れる豆

    410g

    焙煎後418g − 選別8g

  3. 100gの材料原価

    約244円

    1,000円 ÷ 410g × 100g。袋や作業の費用は別

  • 使った生豆の代金:2,000円/kg × 0.5kg = 1,000円
  • 焙煎・選別後に売れる重さ:418g − 8g = 410g
  • 100gの材料原価:1,000円 ÷ 410g × 100g ≒ 244円

「材料原価」は、ここでは焙煎豆そのものの豆代です。100gの生豆を買う200円と、100gの焙煎豆を用意する約244円には、この重さの違いがあります。

無料のコーヒー豆原価計算ツールで、自分の仕入単価・投入量・焙煎後重量を入れて試せます。

200gの商品には、袋代も足す

シーサー君

最初の例なら、200gの豆代は約488円ですね。袋やラベルは、ここに足すんだ。

ナギ

そう。豆代は重さに比例するけれど、袋代は袋ごとにかかる。100gの商品を200gに変えるときも、豆と包装を分けて計算すると分かりやすいよ。

最初の例に、袋60円とラベル10円を加えます。

豆代約488円 + 袋60円 + ラベル10円 = 約558円/200g袋

この合計を、無料計算ツールでは「商品直接原価」と呼んでいます。その他の包装資材を使う場合も、1袋分を足します。

410gからは200g袋を2つ作れ、10g残ります。この計算では残りの10gにも豆代を割り当てています。次回使える豆として扱う例なので、余りをすべて廃棄して2袋で全額を負担する場合とは原価が変わります。

コーヒー豆の原価率は、どの費用を割るかで変わる

シーサー君

この200g袋を1,200円で売るなら、原価率はいくつですか?

ナギ

豆代だけか、袋代まで含むかで違うよ。比べるときは、同じ1袋の原価と売値を使って、何を含めた率かも一緒に書こう。

基本の式は、原価率(%)= 対象にする原価 ÷ 同じ商品の販売価格 × 100です。売価1,200円の200g袋なら、次の2つを分けます。

表は横にスクロールできます →

この例での呼び方原価に含めるもの計算と結果
材料原価率200g分の豆代約488円 ÷ 1,200円 × 100 ≒ 40.7%
商品直接原価率豆代+袋+ラベル約558円 ÷ 1,200円 × 100 ≒ 46.5%

金額も率も、途中では丸めず最後に表示を丸めています。100gの原価を200g袋の売値で割ると、違う量を比べることになるので注意しましょう。

ここまでの費用を引いた残りは約642円です。さらに販売手数料10%(120円)、1袋に割り当てた固定手数料50円、送料180円がかかる場合、販売時変動費は350円。参考差益は約292円、参考差益率は24.3%になります。100%から商品直接原価率を引いた割合とは別です。

この参考差益からも、作業に充てる金額や燃料・家賃・設備費などをまかないます。「何%なら必ず利益が出る」という一律の目安は置かず、販売経路や作業量に合わせて考えましょう。販売価格・参考差益計算ツールと、作業時間と月の支払いまで考えるガイドで次の費用を確認できます。

焼く前には、残る割合で見積もる

シーサー君

焼く前に販売価格を考えたいときは、どう計算するんですか?

ナギ

同じ豆を似た条件で焼いた記録から、何割残りそうかを見積もろう。焼いたあとは、実際に量った重さで確かめられるよ。

投入した生豆に対して残る重さの割合を「歩留まり」といいます。今回、選別後まで含めた割合は、410g ÷ 500g = 82%です。

次も82%残ると見込むなら、焙煎豆1kg分の豆代は次のように求められます。

2,000円/kg ÷ 0.82 ≒ 2,439円/kg → 100gでは約244円

ここで使うのは、売れる重さまでの歩留まりです。焙煎直後までの割合と、選別後までの割合の違いは歩留まりのガイドで確認できます。

実績と見積もりがずれたら、計量方法、焙煎条件、選別した量を見返します。原価だけで焙煎を変えず、狙った味も一緒に確かめましょう。

同じ豆でも、使った仕入れ分の単価で

シーサー君

同じ豆を買い足したら、前に計算した原価をそのまま使ってもいいですか?

ナギ

仕入れたときの単価を見よう。前の袋が残っていて、新しい袋も届くことがあるよね。どちらを使ったか残せば、その焙煎にかかった豆代が分かる。

仕入れた豆のまとまりを「ロット」と呼びます。例えば同じ豆でも、前のロットが1,800円/kg、新しいロットが2,200円/kgなら、500g使った豆代は900円と1,100円です。

どちらも選別後に410g残る条件なら、100gの材料原価は約220円と約268円になります。

焙煎記録には、豆名に加えて使用ロットと投入量を残します。複数ロットを使った場合は、それぞれの「単価 × 使った量」を足してから、売れる重量で割ります。

生豆ロットの分け方と焙煎記録の項目も参考にしてください。

まずは、1回分の焙煎で確かめよう

  1. 使った豆の代金:仕入単価(円/kg)と、実際に釜へ入れた量(g)から求める
  2. 売れる豆の重さ:焙煎後に量り、焙煎後の選別で取り除いた分を引く
  3. 商品の豆代:代金を売れる重さで割り、1袋の内容量を掛ける
  4. 豆以外の費用:袋・ラベル・販売時の費用を1袋分ずつ足す

シーサー君

3袋まとめて送る送料も、それぞれの袋に全額入れるんですか?

ナギ

同じ商品を3袋送るなら、注文の送料を3袋に分けよう。たとえば送料540円なら1袋180円。全額を毎回足すと、送料を3回数えてしまうね。

固定手数料も1注文あたりなら袋数に配分します。計算ツールの率手数料は「1袋の売価 × 手数料率」の簡易試算なので、実際の請求と比べるときは、手数料がかかる対象や端数処理も確認してください。

入力する金額は、税込・税抜の基準をそろえます。ツールに税の自動変換はありません。仕入送料も数えたいときは購入量に配分して生豆の円/kgへ加え、発送時の送料とは分けます。焙煎前に選別した豆の代金は独立して計算されないため、焙煎後の選別欄へ混ぜず、別に確認しましょう。

コーヒー豆の原価計算ツールで自分の数字を試せます。残したい割合から売値を逆算するには、販売価格シミュレーターも使えます。

仕入れ直しや歩留まりの変化で豆代も変わるので、単価と焙煎記録をつないで残すと、次回も計算しやすくなります。IRIDOMEのTeam・Proプランでは、使用ロットと歩留まりに基づく材料原価や、商品の推定材料原価を確認できます。Freeプランでは焙煎記録を利用できます。機能の違いは料金ページをご覧ください。