入力の見直し

焙煎日報と在庫表の二重入力を減らす方法

同じ重量をいくつもの表へ写しているハル。ナギと、入力する場所と数字の使い道を整理します。

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焙煎日報に投入量を書き、在庫表にも同じ量を入れる。二重入力を減らすには、焙煎1回の情報を残す場所を決め、日報と在庫表が同じ記録を参照する形にします。まずは、いつもの焙煎で同じ数字をどこに写しているか、たどってみましょう。

同じ焙煎を、別の目的で書き直している

ハル

焙煎が終わると、日報に投入量を書いて、在庫表にも写しています。同じ作業ですが、どちらにも必要な数字ですよね。

ナギ

そうだね。日報では「今日どれだけ焼いたか」、在庫表では「どの豆が何g減ったか」を見たい。使う目的が違っても、数字の元になる焙煎は同じだから、そこを共通にできるよ。

例えば、手元のメモから日報へ、日報から在庫表へと投入量を写しているとします。この流れでは、同じ量を何度も入力するうえ、数字が違ったときに元のメモまで戻って調べることになります。

まず、直近の焙煎1回について「日付・使ったロット・投入量・焙煎後重量」をどこに書いたか並べます。同じ値を写している箇所が、減らせる作業の候補です。飲んだあとの味の評価など、後から分かったことを追記する作業は残します。

入力する場所と、数字を見る場所を分ける

ハル

日報と在庫表を、一つの表にまとめるのでしょうか?

ナギ

それぞれの見やすい形は残せるよ。1回ごとの焙煎記録を入力元にして、日報は日付別、在庫表はロット別に集計する。同じ数字をもう一度打つ箇所を減らそう。

ここでは、手元の表計算で参照・集計式を設定する方法を考えます。入力元を次のように決めます。

  • 仕入れロットの情報: ロット表に豆名・入荷日・仕入れ単価などを登録する
  • 焙煎で使った量と出来上がった量: 1回ごとの焙煎記録に、日付・ロットID・投入量・焙煎後重量を残す
  • 日報と生豆の残量: 上の記録から、必要な行や合計を表示する

焙煎記録には、同じ日に何回焼いても区別できる番号を付けます。例えば「R-1013-01」「R-1013-02」です。日報でもこの番号を表示すると、合計の内訳まで戻れます。元になる記録項目は、焙煎記録の残し方で確認できます。

表計算の日報は、焙煎記録を日付で絞って表示します。在庫表の「焙煎による使用量」は、同じロットIDの投入量を合計する式にします。残量を量って管理を始める場合は、その時点以降の使用量を集計します。参照先をつなぐことで、新しい焙煎の入力を日報と残量の両方に使えます。

  1. 共通の入力元

    1回の焙煎記録

    日付・ロット・投入量・焙煎後重量

  2. 日報で見る

    日付別の合計

    共通の入力元を日付で集計

  3. 在庫表で見る

    ロット別の使用量

    共通の入力元をロットで集計

2回の焙煎を、日報と在庫につなぐ例

10月13日の作業前に、生豆ロット「BRA-1010」が3,600gあり、この日は同じロットで2回焙煎したとします。ほかの入荷や使用はありません。

  1. R-1013-01: BRA-1010を750g投入し、焙煎後は627g
  2. R-1013-02: BRA-1010を650g投入し、焙煎後は546g

入力するのは、この2回の記録です。日報は日付をもとに2件を表示し、投入量の合計を750g + 650g = 1,400g、焙煎後重量の合計を627g + 546g = 1,173gと求めます。

在庫表はロットIDをもとに、同じ2件の投入量を集計します。

生豆の残量:3,600g − 1,400g = 2,200g

日報の1,400gと在庫表の使用量1,400gは、同じ2件から求めた数字です。それぞれの表へ750gと650gを打ち直す必要がなくなります。

焙煎後の1,173gは、出来上がった豆の重さです。生豆在庫から出した量は投入量の1,400gなので、残量計算にはこちらを使います。入荷や生豆のサンプル使用、棚卸で見つかった差は、それぞれ別の増減として残します。詳しい記録方法は生豆在庫の管理ガイドへ。

同じ2回の記録を、下の見本で試せます。入力元の重量を変えると、日報の合計と生豆の残量が一緒に変わります。

数値を変えて試す見本

焙煎記録から、日報と在庫表へ

2回目の投入量を650gから660gに変えて、下の2つの表を確かめてみましょう。

10月13日・ロット BRA-1010 の2回分。ほかの入荷・使用・棚卸調整は含めません。

入力元:焙煎記録

1回目 R-1013-01
2回目 R-1013-02

日報は投入1,400g、焙煎後1,173g、歩留まり83.8%。在庫の使用量も1,400g、残量2,200gです。

日報:10月13日
焙煎投入量焙煎後歩留まり
1回目750g627g83.6%
2回目650g546g84.0%
合計1,400g1,173g83.8%

投入量:750g + 650g = 1,400g
焙煎後:627g + 546g = 1,173g

歩留まり = 焙煎後重量 ÷ 投入量 × 100(合計欄も同じ式、小数第1位表示)。

在庫表:BRA-1010
開始時の生豆在庫3,600g
焙煎による使用量1,400g
生豆の残量2,200g

生豆の残量:3,600g − 1,400g = 2,200g

このページ内だけで動く計算例です。入力内容は保存・送信されません。

訂正も、元の焙煎記録から行う

ハル

あとで投入量の入力間違いに気付いたら、日報と在庫表を両方直しますか?

ナギ

元の焙煎記録を直して、両方の表示を確かめよう。合計だけ直すと、1回ごとの記録と合わなくなる。どの焙煎を訂正したか分かるようにすると、確認もしやすいよ。

先ほどの例で、2回目の投入量を誤って660gと入力していた場合、使用量は1,410g、残量は2,190gと表示されます。計量した記録を確認してR-1013-02を650gに直すと、使用量は1,400g、残量は2,200gに戻ります。

訂正した日と理由も、その焙煎に添えます。計量値を直したのか、棚卸で実物との差が見つかったのかが分かれば、後で残量を調べるときに経緯をたどれます。

IRIDOMEで、焙煎記録から在庫へつなぐ

ハル

表同士の参照を自分で作らずに、焙煎と在庫をつなぐ方法もありますか?

ナギ

IRIDOMEでは、手入力やログ取り込みで焙煎を記録できるよ。使った仕入れロットを割り当て、焙煎を確定すると在庫消費につながる。投入量を在庫表へ写す部分をまとめられるね。

IRIDOMEで在庫へつなぐときは、次の順に進めます。

  1. 手入力で焙煎記録を作るか、Artisanのログファイル(.alogやCSV)を選んで取り込む
  2. 日付・投入量・焙煎後重量を確認する。CSVからは重量が取り込まれないため、投入量と焙煎後重量を入力する
  3. 実際に使った仕入れロットを割り当て、焙煎を確定する
  4. そのロットの残量に使用量が反映されたことを確認する

ログはファイルを選んで手動で取り込みます。既存の日報や在庫表との自動同期ではないため、切り替える日以降、どこを日々の入力先にするかも決めておきます。Artisanから取り込む具体的な流れは、焙煎ログを在庫・原価につなぐ方法で確認できます。

焙煎記録・比較はFreeプラン、生豆ロットの在庫管理は有料のTeam・Proプランで利用できます。対象範囲は料金ページをご覧ください。

まずは、1日分の焙煎で試してみましょう。元の焙煎記録から使用量と残量を確認でき、間違いがあれば元の1件に戻れる。この流れができれば、毎日の転記と照合を減らしていけます。