食品表示

コーヒー豆のラベル、何を書けばいい?

豆を袋に詰めて売りたいシーサー君。ナギと、ラベルに使う情報をどこから集めるか考えます。

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袋の食品表示は、買う人が中身を選び、保存方法や期限を確かめるための情報です。コーヒー豆のラベルを作るときは、売り方と工程を決め、元になる資料を集めてから書くと、確認すべき点が見えてきます。

ここでは、国内で焙煎したコーヒー豆だけを袋詰めし、豆または粉で一般消費者に売る場合の表示準備を扱います。場所や営業の手続きから考えたいときは、焙煎豆販売を始めるガイドをご覧ください。

  1. 売り方と工程

    誰に、どう売る?

    製造・包装する場所と、販売先を整理

  2. 表示に使う情報

    根拠を集める

    仕入れ情報・計量・保管条件など

  3. 印刷する前

    条件に照らす

    表示項目と、必要な確認をそろえる

最初に、商品と作る工程を決める

シーサー君

200gの豆を袋に詰めて売りたいです。他のお店のラベルを見ながら、店名だけ変えて作れますか?

ナギ

項目を知る参考にはなるね。ただ、誰が焙煎し、どこで袋詰めしたかで書く内容も変わる。まずは自分の商品ができるまでを並べてみよう。

例えば、自分で作る豆商品なら「生豆を仕入れる → 焙煎する → 選別する → 200gずつ袋詰めする → 販売する」。粉でも売るなら、粉砕の工程を加えます。それぞれを誰が、どこで行うかまで書きます。

委託焙煎や、仕入れた焙煎豆の小分けでは、この流れが変わります。輸入済みの完成品、香料などを加えた商品、店頭で注文に応じて詰める販売も、同じ前提にはできません。商品と売り方を伝えて、必要な表示を確認します。

ラベルに使う情報を、手元にそろえる

次の情報を、商品ごとにまとめます。

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確認する項目集める情報
名称・原材料豆か粉か、使用する原材料、仕入先の規格書
原料の産地生豆の生産国、仕入れたロット、ブレンドの配合と工程
内容量1袋に入れる豆・粉の正味の重さ、袋詰め時の計量方法
保存方法・賞味期限袋の材質や密封方法、想定する保存条件、期限を決めた根拠
事業者・製造場所表示に責任を持つ人や会社の名称・住所、製造・加工する場所と担当者
栄養成分表示商品の配合、栄養に関する表示を付けるか、省略できる条件に当たるか

内容量は、袋やラベルの重さを除いた中身の量です。例えば200gの商品なら、表記だけでなく、その量を確かめて袋詰めする手順も決めます。使うはかりや計量方法は、計量法の条件も別に確認します。

食品表示基準と、コーヒーの規約を分けて読む

食品表示基準は法令に基づくルールで、名称・原材料名・内容量・期限・保存方法・事業者情報などを定めています。名称には、中身が分かる一般的な名称を使います。

一方、コーヒーには、景品表示法に基づき認定された業界の自主ルールである公正競争規約もあります。規約では「レギュラーコーヒー」という名称や、生豆生産国名、粉製品の挽き方などを定めています。豆製品には、規約上、挽き方を表示しません。

規約への参加状況と対象商品を確認し、法令の項目と合わせて読みます。規約に参加していない場合も、法令に沿い、買う人に誤解を与えない表示が必要です。

国名は、仕入れ資料とブレンドの配合から確かめる

シーサー君

2か国の豆をブレンドするなら、多く使う国だけ書けばいいですか?

ナギ

使った両方の国名と配合を確認しよう。「一番多い原材料が表示の対象」という話と、その原材料に含まれる国の数は別なんだ。

国内製造品の原料原産地表示は、原則として重量割合が最も高い原材料が対象です。コーヒー豆だけの商品なら、その豆について産地を確認します。仕入先の所在地や、国内の焙煎場所を生豆の生産国として書くことはできません。

ブレンドでは、国別の配合と、生豆で混ぜたのか、焙煎後に混ぜたのかを残します。規約では国名を原則として重量の多い順に表示し、3か国以上を使う場合には、上位2か国以上を示して残りを「その他」などとする扱いがあります。2か国のブレンドを「1か国+その他」に置き換えるためのルールではありません。

焙煎済みの豆を仕入れる場合は、原料の製造地表示との関係も確認します。また、輸入した完成品の「原産国名」と、国内で作った商品の原料の産地は別の情報です。仕入先の規格書、配合、工程をそろえて、国名の書き方と順序を決めます。

「製造者」「販売者」は、実際の役割に合わせる

シーサー君

焙煎は別のお店にお願いして、自分の店名で売る場合はどうなりますか?

ナギ

その場合は、表示に責任を持つ人と、実際に製造・加工する人や場所を分けて整理しよう。委託先と、誰が何を表示するか決めておく必要があるね。

表示責任者には、役割に応じて「製造者」「加工者」「販売者」「輸入者」などの事項名を付け、氏名または名称と住所を表示します。販売者を表示責任者にする場合は、製造者などとの合意も確認します。

これとは別に、実際の製造所・加工所と、製造者・加工者の表示も確認します。責任者の情報と同じ場合の扱いはありますが、販売者の店名を書くだけで、製造場所の確認まで済むわけではありません。

委託焙煎のあとに自分で粉砕・小分けするなら、その作業も含めて確認します。商品ごとに、最初に書いた工程と事業者情報を突き合わせましょう。

賞味期限は、袋と保存方法を決めてから設定する

シーサー君

賞味期限は、焙煎日から何日と決めればいいですか?

ナギ

コーヒーなら一律に何日、とは決まっていないよ。豆か粉か、どんな袋で、どう保存するかも含めて、品質を保てる期間の根拠を確かめよう。

賞味期限は、未開封で、表示した保存方法を守った場合の期限です。表示責任者が、商品の特性に合った科学的・合理的な根拠に基づいて設定します。

袋・保存条件を決め、品質の評価方法と結果、採用した期限の理由を残します。

焙煎日は製造の記録として役立ちますが、賞味期限の代わりにはなりません。開封後の扱いを案内するときも、未開封の保存条件と区別して書きます。袋や加工方法を変えたら、期限の根拠も見直します。

栄養成分表示を省略できるかも、ここで確認する

一般用の包装された加工食品は、原則として栄養成分表示が必要です。ただし、通常のコーヒー豆やその抽出物は、栄養の供給源としての寄与が小さいものとして、省略できる例に挙げられています。

省略できる商品でも、栄養に関する表示を付ける場合は別途確認が必要です。配合を変えた商品や、栄養成分・熱量について訴求する商品まで「コーヒーだから不要」とまとめず、商品の中身と袋に書く言葉を一緒に確認します。

卸すときは、納入後の使われ方を聞く

カフェへ卸す場合も、必要な表示や情報伝達があります。まず、そのまま袋で売るのか、小分けして売るのか、抽出して提供するのかを確認します。そのまま消費者へ販売する形の袋なら、一般用の表示を確認する必要があります。

業務用加工食品では、項目によって納品書や規格書などで伝えられる情報と、容器包装に表示する情報があります。必要な原産地情報も納入後の用途に関わるため、取引先と用途・伝える項目・媒体をそろえます。規格書で伝える場合は、納品した商品がどの規格書に対応するかを分かるようにします。

印刷前に、実物の袋と資料を突き合わせる

シーサー君

仕入れ資料と工程がそろったので、ラベル案を作れそうです。

ナギ

最後に1枚試し刷りして、袋に貼ってみよう。内容が合っているかと、買う人が読めるかを、実物で確かめるんだ。

印刷を発注する前に、次の順で確認します。

  1. 中身と一致しているか:豆・粉、原材料、産地、配合、内容量を元資料と照合する
  2. 工程と一致しているか:責任者、製造・加工する人や場所が、実際の作業と合っているか見る
  3. 期限の前提が合っているか:袋、保存方法、設定根拠、印字する日付を確認する
  4. 袋に貼って読めるか:文字の大きさ・色・表示位置、印字の欠け、折れやシール部分への重なりを見る
  5. 変更後の版になっているか:仕入れ先・配合・工程・包材を変えたとき、古い表示が残っていないか見る

文字の大きさなどは食品表示基準で条件が定められています。判断が残る項目は、ラベル案・原材料資料・工程・販売方法をまとめて、自治体の食品表示相談窓口や、食品表示に詳しい専門家へ確認します。

使った豆のロットと焙煎記録をつなげておくと、あとから表示の元情報をたどりやすくなります。生豆在庫の管理と焙煎記録の残し方も参考に、ラベルの版と確認日を一緒に残しましょう。

本文は、2026年10月14日に確認した消費者庁の食品表示基準・関連Q&A・栄養成分表示と期限設定のガイドライン、および全日本コーヒー公正取引協議会の規約・施行規則を基に整理しています。